12日に行われた定例北見市議会一般質問で小野卓也議員(市民・連合クラブ)は消防職員の採用状況などを質問。市内では中途退職者数が新規採用者数を上回る実態が明らかになった。
阿部実総務部長の説明によると、今年度の市の消防職新規採用試験では10人が合格したが、4人が辞退したため、採用人数は6人。辞退者の多くが市外出身者という。一方、今年度の自己都合退職者は8人の見込みで、退職者数が新規採用者数を上回る。
マンパワー低下は出動体制に影響も
総務省消防庁の指針によると救急車1台に対し救急隊員3人、消防ポンプ車1台に対し消防隊員5人とされているが、消防職員の減少が続いた場合「隊の編成や運営に影響が生じる可能性がある」(阿部総務部長)という。
小野議員は、消防職員の給与体系についても質問。答弁によると、市の消防職員の初任給(4月1日現在)は札幌市や旭川市、函館市、釧路市、小樽市に比べ大卒で平均9242円、短大卒で同1万3284円、高校卒で同1万2716万円それぞれ低い。
また、北見市は消防職員と一般行政職員の給与体系が同じであるのに対し、他の5市は職務の危険性や特殊性を鑑みて消防職員と一般行政職員の給与体系を別にするなどして差を設けているという。
小野議員は、市内出身者の辞退者が少ない傾向があることをふまえ「市内高校への取り組みを強化すべきではないか」と質問。阿部総務部長は「若い世代の心に留めてもらうため職場体験などに消防本部と連携して取り組みたい」と応じた。
また、道内主要都市に比べ低い水準にある消防職員給与については「課題のひとつとして総合的に検討する必要がある」と述べた。 (柏)