撮影したのは1月25日午後1時ごろ。夫、啓延さん(57)が運転する車で国道333号を走行中、助手席から外の景色を眺めていたところ、黒い個体が視界に入った。「クマか犬かと思った」そうで、車を止めてスマートフォンを向けると、キツネだと分かり、夫婦で動画に収めた。
黒いキツネは、通常の毛色のキツネと2匹で行動しており、黒い個体がもう1匹を先導するように歩いていたという。写真では分かりにくいが、黒いキツネの尾の先端は白っぽく見えたそうだ。
横手さんは聴覚に障がいがあり、視覚情報には敏感で、その気付きが、今回の珍しい瞬間の撮影につながったよう。動画を訓子府手話の会「しゅわねっぷ」の仲間に見せたところ「とてもレア」と教えられ、「管内にもこんな動物がいることを知ってもらいたい」と同紙に情報を寄せた。
横手さんは、「アイヌの人々から神の使いとして大切にされてきた黒いキツネを初めて見ることができ、縁起がいいのかもしれません」と話している。
とても珍しい個体
繁殖したら何色に?
北網圏北見文化センターの学芸員、安斉千晶さんによると、横手さんが撮影したのは、アカギツネの亜種「キタキツネ」。北半球に広く分布するアカギツネは、もともと毛色に関する遺伝子の多様性を持ち、その組み合わせによってきつね色のほか黒や銀など、さまざまな毛色の個体が生まれるという。
また、2匹で行動していた点について「繁殖期にあたるため、雄雌のペアの可能性がある」と説明。安斉さんは「無事に繁殖すれば、どんな毛色の子が、どれくらいの割合で生まれるのか、想像するのも興味深いですね」と話している。 (理)

