食品ロスについて考える市民環境フォーラム(北見エコスクールSDGs協議会主催)が23日、北見市民会館で開かれた。
食品ロスは、食品の消費期限切れや賞味期限切れなどで生じる直接廃棄や食べ残し、食べられる部分まで捨ててしまう過剰除去などで発生する。
北海道地球温暖化防止活動推進員の和田順子さんは、食品ロスの現状や自分たちにできることについて基調講演した。和田さんによると、日本国内で年間約500㌧もの食品ロスが生じており「毎日、1人あたりおにぎり1個分を捨てていることになります」と指摘。食品ロスのうち家庭で生じるロスが半分近くを占め、経済的な損失や環境問題に直結するという。
和田さんは「毎日の食事を見直すことが地球環境の改善にもつながります。100%の解決策は見つからないかもしれないが、どうすべきか考え、調べ、行動し続けることが大切」と呼びかけた。
コープさっぽろなどの取り組みも紹介
このほかコープさっぽろ環境推進グループ長の鈴木昭徳さんは、同社が実践する「トドックフードバンク」を紹介。宅配の受発注ミスなどで返品された食品を道内の児童養護施設などに提供する取り組みで「予想以上の成果につながっている」と述べた。
市市民環境部次長の古川晋也さんは、市が作成した「残り物食べきりレシピ集」やイオン北海道と実施するフードドライブ事業、食べ残しゼロ協力店制度などを紹介。フードドライブ事業は、イオン北見店の1階に毎月1週間、家庭で使い切れなかった食品の回収ブースを設置。常温保存が可能で賞味期限残り1カ月以上の食品(未開封の菓子、飲料、インスタント食品など)を集め、子ども食堂などに提供する仕組みで11月にスタートした。(柏)