美幌町の民生委員・児童委員向けの高齢者虐待予防のための研修会が1日、町民会館で開かれた。委員約50人が講義、グループワークを通じて事例への対応を考えた。
北見市南部地区地域包括支援センターセンター長の坂井大地さんが講義。高齢者虐待を「身体的虐待」「介護・世話の放棄」「心理的虐待」「性的虐待」「経済的虐待」の5つに分類し、美幌町でも2021年に14件、22年に12件、23年度に3件の通報があると紹介した。
虐待をしている人、受けている人の自覚は問わず「客観的にみて権利が侵害されていると確認できる場合には虐待と認定して対応する必要がある」と指摘。訪問調査や、方針を決定する「コアメンバー会議」などの手順も紹介した。
民生委員に対し「高齢者やその家族が地域から孤立しないよう見守ること。グレーゾーンの世帯への見守りや、町や地域包括支援センターなど相談機関に的確につなげることを意識していただけたら」と期待した。
委員はこの後、虐待が行われている可能性がある事例をテーマにグループワークを行い、対応を話し合った。(浩)