北見市高齢者等支援ネットワークの2023年度会議が21日、北見芸術文化ホールで開かれ、最近の高齢者を取り巻く現状などについて情報を共有した。
同ネットワークは医療、介護、福祉機関、住民、行政機関などで構成。高齢者の見守りや実態把握、支援体制づくりなどを担う。
この日の会議では、市職員や同ネットワーク内に設置されている部会の代表者が現状やそれぞれの取り組みを報告した。
市介護福祉課によると2022年度、新規で要介護(要支援)に認定された人は1422人で、上位は認知症が16・1%で最も多く、次いで悪性新生物(がん)が15・6%、関節疾患が14・1%。特に要介護1と2の認定者は認知症の割合が高い傾向が示された。
また、2023年度に市が把握した高齢者虐待は10件。被虐待者はいずれも女性で、配偶者による虐待が4件だった。
85歳以上人口は急増も介護職員は減少傾向
北見市医療・介護連携支援センターの関建久センター長は、医療・介護連携の現状と課題について見解を発表した。
市の人口10万人あたりの医師数や病床数、居宅介護支援事業所数は現在、比較的充実していることを説明。しかし「今後は、医療・介護サービスのニーズが高い85歳以上人口が急増する一方、介護職員の数は減少が見込まれる」と指摘。
介護職員不足により在宅介護サービスや高齢者施設が減少することで要介護者の重度化が懸念されるほか、入院の長期化、救急医療のひっ迫などを招く恐れがあることを指摘。疾病と介護の重度化予防や医療と介護の役割分担と協力、住民同士の助け合いなど問題解決の方向性を示唆した。(柏)