連載 なくなってしまう?網走市のスキー場㊤

2024-02-15 掲載

(網走市/社会)

〝天頼み〟年越しオープン続く

 網走市が指定管理者に運営を委ねている、網走レークビュースキー場。人工降雪機がないため、オープンはまさに〝天頼み〟となっており、今季は1月31日に営業開始となった。市は人工降雪機の導入には消極的で、近年の温暖化を踏まえると、〝年越しオープン〟は常態化する可能性もある。市民の一部からは「網走からスキー場はなくなるの?」といった声も本紙に寄せられるようになった。今後、網走のウインタースポーツ文化はどうなってしまうのだろうか。(大)

過去10年で年内オープンは1度のみ

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■大半は〝年越し〟

 天都山の斜面を利用した網走レークビュースキー場。頂上からは網走湖を臨むことができる。初中級者向きのスキー場として親しまれているが、近年のオープン日は〝年越し〟が目立つようになっている。

 2023(令和5)年度を含めた過去10年の関連データをみると、オープン日が最も遅かったのは19(令和元)年の2月5日だった。次いで、今季の1月31日、22(令和4)年度の1月26日などとなっている。

 過去10年で、1月1日前日までの年内オープンしたのは16(平成28)年度だけ。ほかは1月1日以降の〝年越しオープン〟だった(※表参照)。

人工降雪機なく…

■市民の不安

 人工降雪機のない同スキー場。オープン日は降った雪の量が大きく影響する。まさに天頼みの状況で運営を続けてきたが、近年の気候変動(積雪量や雪質などの変化)により、営業開始日はズレ込む傾向が強まっている。

 今季の網走は、昨年12月にまとまった雪が降ったため、市内スキーファンの間では例年より早いタイミングでのオープンに期待が高まった。

 しかし、今季オープンは1月31日にズレ込み、過去10年では2番目に遅かった。

 年越しオープンが続く現況に対して、市民Aさん(30代男性)は「将来、網走からスキー場がなくなってしまうのでは」と不安な様子。

 小学生2人をお子さんを育てる市民Bさん(40代女性)は「スキーやスケートなどウインタースポーツを地元で楽しめないまちは、子育て世代にとって魅力のないまち。網走もそうなるのかと思うと寂しい」との声を本紙に寄せてくれた。

 ……………………

 財政が厳しいとされる網走市において、高額な人工降雪機は簡単に購入できない。今後、人工降雪機がなければ、〝年越しオープン〟は常態化してしまうのだろうか。最悪はスキー場そのものが網走からなくなってしまうのだろうか。

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