■数億円
オープン日は〝天頼み〟の網走レークビュースキー場。今季は1月31日にオープンし、過去10年データを見ると、2019(令和元)年を除いたすべてが1月1日以降の〝年越しオープン〟となっている。
導入・維持費と費用対効果
早期オープンを求める声は少なくない。網走市議会では一般質問を通じて、人工降雪機の導入を強く求める議員もいる。
同スキー場に人工降雪機を設置する場合、数億円の費用がかかるとされる。また、設置後の管理費も高額とされる。
人工降雪機を導入する上で、同スキー場を担当する網走市教委は次のような検討項目を挙げる。
①水源の確保②電源の確保③排水管の敷設
これらの検討項目に加え、人工降雪機を設置した際の費用対効果は重要なポイントだ。
過去10年の同スキー場の利用者数で最も多かったのは2016(平成28)年度の18万3177人。次いで15(平成27)年度の15万110人などとなっている。
リフト代は同スキー場の主な収入源だ。今後、利用者が減少し続けた場合、人工降雪機の購入費・維持管理費は、スキー場経営の足かせとなる可能性もあるわけだ。
■マンパワー
同スキー場の管理・運営は現在、指定管理者の株式会社日専連オホーツク網走に委ねられている。
早期オープンを目指し、同社や市は苦労を重ねている。今季はオープン前に山頂付近にダンプ約40台により雪を搬入するなどした。
市役所OBに取材すると、指定管理者制度が導入される前(現在から10年以上前)は、スノーモービルにつないだそりに雪を積んでゲレンデに搬入したこともあったという。
こうしたマンパワーによる努力は続けられているが、〝年越しオープン〟は常態化しつつあるのが現状だ。
スキー授業は市外実施の可能性も
もし、オープン日がさらに遅れるようになった場合、市内学校のスキー授業にも影響が出てくる。近い将来、スキー授業は市外で実施―ということもありうる。
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網走からスキー場をなくすのか、それとも多額の公金を投入してでも人工降雪機を導入してスキー場を残すのか―。最終的な答えを出せる人は現在、水谷洋一市長以外にいない。今後の舵取りに期待が寄せられている。