美幌町は9日、厳冬期の避難所運営訓練を初めて実施した。電力や上下水道が使えない想定で、避難所内の温度の確保をはじめ災害食の提供、足湯など数多くの演習に取り組んだ。
厳冬期の災害への初動対応力を高め、課題を検証しようと、旭小学校体育館で実施。参加、運営合わせて職員35人が参加した。
震度6強の地震で電力が停止し、断水した想定。職員は、発生後すぐに体育館に資機材を搬入し、発電機や照明器具、パーテーションテントや段ボールベッドなど避難所を設営した。
トイレには凝固剤を使う災害用トイレブースを設置。夕食はお湯や水を注げば食べられるアルファ米のカレーライスを試食した。
体育館前の駐車場では、公用車を使って車中泊も体験。氷点下でエンジンを切り、車内の暖房が効かない中で30分間を過ごした。
雪を鍋に入れてコンロで沸かして湯をつくり、靴下にビニール袋をかぶせて浸かる「簡易足湯」も演習。体験した職員は「足を温めると不思議と体も温まる感じがしました」と感想を述べた。
最後は段ボールベッドや床マットで1時間寝る演習も体験した。
今回は初めてのため職員のみだったが、町は今後、町民に冬の避難所を体験してもらう訓練を計画する。(浩)