町の情報発信ツールとして訓子府町が昨年9月に開設した、無料通信アプリLINE(ライン)の町公式アカウントは2月末現在、564人が登録していることが分かった。町は利便性の周知に努め、登録者数をさらに増やしていきたい考え。町議会定例会の村口鉄哉議員の一般質問に伊田彰町長が答えた。
一昨年夏の度重なる集中豪雨の際、町内で発生した冠水や道路損壊などの災害情報が町民から役場に多く寄せられた。多くは電話によるものだったが、危険を伴い緊急を要する情報が錯綜し、時間が掛かったほか場所の特定も難しかった。
同公式LINEの「通報」メニューを通じ、災害発生時に町民が写真と位置情報を送信することで町役場はタイムロスなしに状況や正確な発生場所の情報を得ることができる。
現場に出向いたり、対応の優先順位を決めるには多くの情報が必要で全体の状況把握が求められることから、昨年就任した伊田町長は災害対策として独自に、情報収集が膨大かつ迅速で正確性のあるLINEの活用を提案していた。
町公式LINEはそのほか、町の取り組みやイベント情報などを通じて多くの町民に情報を発進するとともに粗大ごみの回収や各種健診の申し込みなど多岐にわたるメニューを利用することができる。
町内情報の発信、収集は登録者数が多いほどSNSの利点がより発揮できると考え、登録者数をおおむね900人と想定。伊田町長は「開始から半年。まずは現行メニューについて意見をもらい内容の充実・改善に努めたい。町内会や公民館行事などを通じ、機会あるごとに公式LINEを知ってもらえるよう周知を図る」と、利便性の向上へ理解を求めた。(寒)