連載 白樺並木 伐採の理由~網走市~㊤

2024-07-04 掲載

(網走市/社会)

なぜ?100本以上を伐採

 網走市総合体育館の敷地内に植えられていた白樺などの街路樹100本以上が伐採されたことについて、先日の同市議会一般質問で石垣直樹議員は「大きく景観が変わり、戸惑う市民が一定数いる」と問題視。本紙にも同様の声が寄せられており、網走市役所の〝街路樹伐採基準〟などを調べてみた。(大)

総合体育館敷地内の街路樹
「大きく景観変わる」市議会でも問題視

伐採された白樺の根(市営球場の近く) == 株式会社伝書鳩|経済の伝書鳩|北見・網走・オホーツクのフリーペーパー ==
伐採された白樺の根(市営球場の近く)

■議会でも

 伐採されたのは、同体育館に隣接する市民プールや市営球場、運動公園周辺の白樺など116本。伐採作業は6月15日までの3日間にわたり行われた。

 市側の説明によると、伐採した白樺などは樹齢40年が経過し、高さ20㍍に達する樹木もあった。伐採費用は、今年度当初予算に161万4千円を盛り込んでいる。

 6月26日の同市議会定例会・一般質問で石垣氏は「体育館周辺の街路樹が一気に切断され、近隣住民からは『なぜ』という声が上がっている」とした上で、「伐採した理由」と「伐採することを近隣住民に(事前に)連絡したのか」と尋ねた。

 議会後、石垣氏は本紙取材に対して「市民プール周辺にあった大きな樹木は、中高年の市民にとって『思い出の風景』ともなっている」などとし、住民への事前説明を含めた伐採に至る経緯を疑問視している。

 本紙は昨年8月、中心市街地の商店街に並ぶ街路樹約40本が一気に伐採されたことを報じ、街路樹の意義・意味について疑問を投げかけた。

 今回は、網走市議会でも議論の俎(そ)上に載ったわけだ。

倒木の恐れやテレビ受信に支障
近隣町内会などへの周知はなく

■役所の見解

 石垣氏の一般質問に対し、同市教委社会教育部の吉村学部長の答弁は次の通りだ。

▽石垣氏「伐採した理由は」

▼吉村部長「白樺は付近住民のテレビ放送の受信に支障をきたしていた。ヤナギは交通車両に接触するほど生長し支障をきたしていた。今回の伐採対象樹木については樹齢40年以上が経過し、立木の標準伐期齢を過ぎていた」

▽石垣氏「近隣町内会などに伐採した理由について連絡したのか」

▼吉村部長「影響がでない道路沿いの伐採については事前周知しなかった」

 ……………………

 網走市の街路樹の大半は樹齢30~40年と見込まれる。つまり、大半は伐採時期を迎えているわけだ。今年3月の同市議会予算等審査特別委員会では、議員の1人が〝街路樹不要論〟とも受け取れる発言をしている。未来の網走をデザインする上で、街路樹は不要なのだろうか?

 次回は、街路樹に対する網走市役所の考えや他市の試みなどを紹介する。

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