■議会でも
伐採されたのは、同体育館に隣接する市民プールや市営球場、運動公園周辺の白樺など116本。伐採作業は6月15日までの3日間にわたり行われた。
市側の説明によると、伐採した白樺などは樹齢40年が経過し、高さ20㍍に達する樹木もあった。伐採費用は、今年度当初予算に161万4千円を盛り込んでいる。
6月26日の同市議会定例会・一般質問で石垣氏は「体育館周辺の街路樹が一気に切断され、近隣住民からは『なぜ』という声が上がっている」とした上で、「伐採した理由」と「伐採することを近隣住民に(事前に)連絡したのか」と尋ねた。
議会後、石垣氏は本紙取材に対して「市民プール周辺にあった大きな樹木は、中高年の市民にとって『思い出の風景』ともなっている」などとし、住民への事前説明を含めた伐採に至る経緯を疑問視している。
本紙は昨年8月、中心市街地の商店街に並ぶ街路樹約40本が一気に伐採されたことを報じ、街路樹の意義・意味について疑問を投げかけた。
今回は、網走市議会でも議論の俎(そ)上に載ったわけだ。
倒木の恐れやテレビ受信に支障
近隣町内会などへの周知はなく
■役所の見解
石垣氏の一般質問に対し、同市教委社会教育部の吉村学部長の答弁は次の通りだ。
▽石垣氏「伐採した理由は」
▼吉村部長「白樺は付近住民のテレビ放送の受信に支障をきたしていた。ヤナギは交通車両に接触するほど生長し支障をきたしていた。今回の伐採対象樹木については樹齢40年以上が経過し、立木の標準伐期齢を過ぎていた」
▽石垣氏「近隣町内会などに伐採した理由について連絡したのか」
▼吉村部長「影響がでない道路沿いの伐採については事前周知しなかった」
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網走市の街路樹の大半は樹齢30~40年と見込まれる。つまり、大半は伐採時期を迎えているわけだ。今年3月の同市議会予算等審査特別委員会では、議員の1人が〝街路樹不要論〟とも受け取れる発言をしている。未来の網走をデザインする上で、街路樹は不要なのだろうか?
次回は、街路樹に対する網走市役所の考えや他市の試みなどを紹介する。