■採用に至らず
市の定めによると、埋め立て処分場と破砕リサイクル施設には計34人の従業員が必要だ。市は今月3日に北見市の業者と委託契約を結んだものの、従業員の確保については不透明な状況が続いている(19日時点)。
北見市の業者は委託契約の締結後、ハローワークと地元フリーペーパーを通じて25~30人の求人を開始。しかし、「30人」の確保には至っていないようだ。
今月13日の網走市議会・予算等審査特別委員会で、市の担当者はハローワークなどの求人を通じた採用状況について「(北見市の業者からは)何人か面談等を行っていると聞くが、正式に採用を決定した人はいないようだ」と説明した。
関係者によると、ハローワーク網走を通じての応募者は、今月19日時点で「1人」。現在、破砕リサイクル施設で働く地元企業の従業員34人の大半は解雇手続きが進められ、北見市の業者に移る従業員はごく一部のようだ。
こうした状況から、現在の委託業者である地元業者と北見市の業者間での〝引継ぎ〟もままならない事態に陥っている。13日の議会・予特委で市は「(引継ぎ時期については)現時点では未定」と説明。地元業者は取材に対し、「引継ぎ日程の具体的な相談はまだない」(17日時点)。
業者採用の根拠乏しく
■相当の経験
廃棄物処理法では、網走市が市外の業者に一般廃棄物の処分(破砕リサイクル施設などの業務)を委託する際の基準として「相当の経験を有する」と定めている。
市が、北見市の業者がこの基準を満たしていると判断した根拠は、①自社で産廃処分場を有している②破砕リサイクル施設を有している―だ。
同社は、北見市の一般廃棄物処分業の許可証も得ている。しかし、事業範囲は「伐採木、剪定木などの破砕処理」で、網走市の破砕リサイクル施設で受け入れる家庭ごみの処分経験については「かなり未知数な部分が多い」(関係者)。
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もし、30人相当の従業員を確保できなかったら?
市は「委託業務を履行できない場合には、それ相応の対応をする」(13日の予特委での答弁)とするが、プロポーザル〝反対派〟の中堅市議は「市民生活に大きな影響が出てからでは遅い」と危惧している。