辻直孝市長は、社会保障費の増加や公共施設の老朽化対策、物価高騰などで市の財政は「これまでにない厳しい状況」と説明。市が今年2月に公表した中期財政計画によると、2025年度で基金残高が底をつき、26年度からは毎年30億円ほどの収支不足に陥る。市は今夏までに財政健全化に向けた基本方針、秋には具体的な対処施策を示すアクションプランを策定する考えで、作業を進めている。
市が懇話会に示した資料によると、市は人口11万3036人(23年1月1日)に対し、面積は道内自治体では最も広い1427平方㌔㍍。1平方㌔㍍あたりの人口密度は79・2人で、人口10万人以上の道内自治体の中では釧路市の117・7人を下回り最も低い。また、住民1人あたりの道路と上下水道の延長はいずれも道内10万人以上都市でトップ。公営住宅や公園、集会施設などの公共施設の数も上位となっている。
財政状況を示す実質公債費比率(※1)は、2018年以降年々上昇し、22年は11・1%と釧路市を抜いて最も高い。将来負担比率(※2)=グラフ=は143・8%で、他の9市がいずれも100%以下の中、突出した高比率となっている。
※1=収入に対する借金返済額の割合。数値が高いほど財政の弾力性が低下していることを示す。18%以上の団体は起債に当たり許可が必要になる。
※2=収入に対し、将来市が負担する借金の割合。数値が高いほど将来、財政を圧迫する可能性が高いことを示す。(柏)