連載 広域で強化!!サケ釣りルール ㊤

2024-08-22 掲載

(網走市/社会)

網走・斜里・小清水

 サケ釣り愛好家によるルール・モラル違反行為が社会問題化しつつある中、網走市と斜里町、小清水町の1市2町は足並みを揃えた独自ルールによる対策に本腰を入れる。自治体間による〝広域ルール〟を導入せざるを得ない状況について、網走市の事例を中心に改めて調べてみた。 (大)

網走は9月上旬にも策定へ
1市2町で足並み揃え

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■斜里町が先行

 1市2町の〝サケ釣り問題〟は共通する悩みだ。

 「場所取り」「竿の乱立」「サケの残し投棄」「釣り人による排尿・排便」などで、これらの問題は近年、顕著化。網走市の関係者は「日常生活が規制されたコロナ禍を背景にサケ釣りファンが急増したからでは」と推測する。

 地元の水産資源にも影響を与えるようになった事態を重くみた斜里町は今年7月1日から、町内の海岸でのサケ・マス釣り愛好者を対象にした独自ルールを導入。釣竿の本数や釣り上げる尾数を制限するなど、釣り人に理解と協力を求めている。

 網走市は今月14日、先行する斜里町の取り組みを参考にした「網走海浜サケ・マス釣りルール(案)」を公式HPで公開。伴って、ルール案に対するパブリックコメントの募集を始めた(同28日まで受け付ける=QR)。

 市によると、パブコメ募集初日から翌日夕方までに30件近くの意見が寄せられており、〝新ルール〟に対する関心の高さがうかがえる。

場所取り禁止や釣竿の本数制限など
市HPに案を掲載、市民の意見受け付け中

■網走ルール

 網走市の独自ルール案は、市内の大学や漁協などの関係者からなる「同市さけ・ます等遊漁環境対策検討委員会」の提言を受けてまとめた。パブコメ意見を参考にした上で、9月上旬にはルール運用を始める考えだ。

 市のルール案では、禁止事項は「場所取り」「テントの常設」「ゴミ、残しの投棄」などの6項目。このほか、『守る』事項として、「釣竿3本まで」「釣る尾数3尾まで」「海でのミニボートの使用はやめる」など6項目を盛り込む。罰則規定はなく、釣り人の自主性・主体性に期待する独自ルールとなる。

 小清水町も、斜里町や網走市と同様のルールを設ける。今月16日から同30日までパブコメを募集し、ルールの本格運用は網走市と同時期になると見込まれる。

 秋サケ釣りシーズンが本格化する9月中には、オホーツク沿岸の斜里町・網走市・小清水町の1市2町による共通ルールが導入される見通しで、関係者は効果に期待している。

 ……………………

 サケ釣り問題の背景には、一部の愛好者による倫理観、道徳観の欠如がありそうだ。

 以前の網走市や斜里町の海岸には、〝場所取り〟用の杭や流木が立ち並び、その光景は異様だった。3年前にはオホーツク総合振興局が中心となって一斉撤去に乗り出したが、〝異様な光景〟は戻りつつある。残念なことだ。

 次回は、ルール・モラル違反行為がもたらす社会への影響などを紹介する。

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