■人材確保
市は今年4月、〝目的外使用〟を可能とした市営住宅の入居募集を開始。最大の目的は「市内事業者の人材確保に向けた支援」(市のHPより)だ。
背景には、水産加工業者を中心とした地元企業や議会から「市内で増加する外国人技能実習生などの従業員住宅として、市営住宅を活用できないか」との声が寄せられていたことがある。
市は、国土交通省の方針に基づき、市営住宅に外国人の入居を可能とする計画を策定し、承認を得た。
現在、〝目的外使用〟が可能な市営住宅は大曲地区の16戸、台町地区の4戸。両地区の市営住宅を選定した理由は、「世帯向け住宅の空き住戸が多い状況だった」(市の担当者)ため。
町内会活動への積極参加を義務付け
■厳守事項
〝目的外使用〟の住宅契約者は、入居する外国人ではなく市内事業者が担う。技能実習生などを入居させる条件は、「従業員向け住宅等の確保が困難である」(市のHPより)などだ。
入居者の条件は、①市内事業者で雇用する在留登録のある外国人就労者②市内事業者で雇用する市外からの新規採用者─となっている。
〝目的外使用〟の大曲地区の市営住宅では、15戸で36人の外国人(インドネシア人19人、ベトナム人14人、中国人3人)が生活を送る。台町地区は2戸に4人の中国人が入居する(※9月13日時点)。
市は、市営住宅で暮らす外国人と地域住民との交流を促すため、住宅契約者の厳守事項として「町内会・自治会へ加入し、町内会活動には入居者を含め積極的に参加してもらう」ことなどを盛り込んでいる。
ただ、大曲地区は町内会の運営・存続が厳しいエリアもある。市には、こうした現状も踏まえた上での「外国人との共存」を視野に入れたまちづくりが求められている。