連載 新庁舎完成後の行方~網走市~ ㊤

2025-06-19 掲載

(網走市/社会)

商店街の活性化目指し
地元高校生の知恵募る

 網走市役所の新庁舎が市街地に建設され、供用開始から3カ月以上が経過した。水谷洋一市長は〝新庁舎効果〟の一つとして、市街地にある商店街の活性化に期待し、今年度の新規事業に地元高校生との活性化研究事業を盛り込んだ。若者のアイデアは、沈滞ムード漂う商店街にひと筋の光を灯してくれるのだろうか―。 (大)

庁舎建設地選定の理由の一つ
研究事業を予算に盛り込む
桂陽高生の請願きっかけに動き出し
幅広いアイデアから実現可能な策探る

新庁舎の完成に伴い活性化が期待される地元商店街 == 株式会社伝書鳩|経済の伝書鳩|北見・網走・オホーツクのフリーペーパー ==
新庁舎の完成に伴い活性化が期待される地元商店街

■新事業

 水谷市長は、新庁舎のいくつかの建設候補地の中から、地元商店街アプト・フォー(南4条通り商店街)に隣接する場所を選んだ。理由の一つに「商店街の活性化」を挙げた。

 新庁舎は今年2月25日に供用開始。市職員約350人が商店街そばにある庁舎に通うため、「通勤時間帯は、商店街を通る人は間違いなく増えたと感じる」(市職員)。

 市は今年度当初予算に、新規事業「アプト・フォー活性化研究事業」を盛り込んだ(予算額60万円)。この事業の目的は、「桂陽高校生や関係団体とワークショップなどを通じて、『フリースペース』等の設置について研究・検討する」(市の資料より)としている。

■請願

 地元高校生と一緒に商店街の活性化について考える試みは、網走桂陽高校の生徒が網走市議会に提出した請願がきっかけだった。

 昨年12月、網走桂陽高校の生徒グループは、網走市議会・文教民生委員会に、商店街アプト・フォーにある空き店舗をフリースペースとして設置することを求める請願を提出。同委員会での審査を経て、採択された。

 網走市議会において、地元高校生による請願は珍しく、新聞やテレビなどで報じられた。

 市は地元高校生による請願を踏まえ、新規事業を通じて地元商店街の活性化策を探る狙いだ。桂陽高校のほか、網走南ケ丘高校にも声をかけており、幅広い若い世代のアイデアに耳を傾け、実現可能な活性化策を探る考え。

 新規事業では今後、まちづくりなどを専門とするコンサルタントからのアドバイスなどを踏まえ、地元高校生と商店街の関係者らが意見交換などをする。

 ……………

 地元高校生のアイデアが即座に商店街の活性化につながるかは不透明だ。しかし、地元の高校生がまちづくりに参加する経験は、郷土愛の醸成にもつながるはずだ。

 今回の新規事業の予算規模は小さいが、地元商店街の関係者がどれだけ積極的に関わるかが〝カギ〟となりそうだ。

キーワード

  • 新庁舎
  • 商店街

関連記事

検索フォーム

キーワード

地域

表示順

 

カレンダー