
網走市教委は人口減少を見据え、市内高校を存続させるための検討協議会を立ち上げる。網走商工会議所からの提言を踏まえ、今年度当初予算に関連事業費を盛り込み、本格的な議論をスタートさせる。
今年度当初予算に盛り込まれた「魅力ある高校のあり方検討事業」(80万円)。目的は「地域に根ざした魅力ある高校のあり方について検討する」(市の資料より)となっている。
同市教委によると、検討協議会は近日中に設置される。メンバーは市内の経済業界や一次産業団体、地元高校、まちづくり関係者らで構成される見通し。
すでに、協議会の前身となる懇話会は立ち上がっており、昨年は5回の会合を開くなどして準備を進めてきた。
近日中に設置される協議会は今後、生徒確保などを視野に入れた魅力ある学校づくり策について意見を交わす。年度内には意見をまとめる方針だ。
網商は昨年6月、網走市内にある道立南ケ丘高校と桂陽高校の間口維持、存続に向けた提言書を、水谷洋一市長に提出。進む人口減少に伴い、地元高校の生徒確保はまちの重要課題と位置付け、「地域の発展には若い世代のエネルギーと新しい視点が必要不可欠」(提言書より)と危機感を募らせている。
道教委がHPで公開する、2025~2029年度の「公立高校配置計画案」資料には、網走市の中卒者数のデータが記されている。
2024(令和6)年の中卒者数は256人。27年までは260人前後で推移するものの、30年には176人に減少する。市内関係者によると、10年後の34年は「140人台を割込むというデータもある」。 (大)