「驚かせないで」当事者がメッセージ

2024-12-23 掲載

(北見市/社会)

留辺蘂で認知症フォーラム

できることたくさん

 高齢者相談支援センター留辺蘂主催の認知症フォーラム「みんなでつくろう!認知症にやさしい地域づくり」が13日、留辺蘂住民交流センターで開かれた。住民ら80人が参加し、当事者からのメッセージ発信や専門職による講話などを通じ、理解を深めた。

 認知症を正しく理解し、地域とのつながりを持ちながら自分らしく暮らし続けることができる社会の実現に向けて初めて開かれた。

 はじめに、若年性認知症で51歳の時にグループホームすみれに入居した男性(64)が、支援員とともに当事者としてマイクを持った。

 男性は夕張生まれ。30代のころ、職場の人間関係に悩んでアルコールが手放せなくなり、それが原因で認知症を発症したという。支援員は、入居当時の男性の様子を「テレビなどで同年代の人が活躍する姿を見てなんとなくストレスを感じているように見えた」と振り返り、男性自身も「外に出てみたいという思いはあった。50代はまだまだこれからだったから」と葛藤を語った。

 認知症の人にどう接してほしいか、という質問に「後ろからじゃなく正面で、大きな声じゃなく普通の大きさで話し掛けてほしい。認知症になると後ろから声をかけられると驚いてしまう」と呼び掛けた。

 北見赤十字病院の認知症看護認定看護師の講話では、認知症の人への対応について、周りの人はできなくなったマイナス面に注目しがちだが「認知症になってもできることや得意なことはたくさんある。今できることを奪わず、本人の『持てる力』に目を向けてほしい」と話した。

 このほか、市職員や留辺蘂中学校と留辺蘂高校の3年生による活動報告が行われた。(理)

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