美幌町は14日、路線バスを運転し、公共交通の課題に取り組む地域おこし協力隊員として、富山県出身の浜谷真幸さん(47)に委嘱状を交付した。16日から北海道北見バスの美幌営業所に勤務。「地域を盛り上げたい」と抱負を述べている。
全国的に担い手が少なく、路線の減便や廃止が社会問題化する中で、地域の公共交通を維持し、活性化を図ろうと募集。浜谷さんは、2024年11月から阿寒バス美幌営業所に勤務する三重県出身の廣田剣さん(46)に続き2人目の委嘱になった。
浜谷さんは県内の高校を卒業後、トラックの運転などに従事。18年から22年まで富山県と長野県をつなぐ立山黒部アルペンルートを走る観光バスの運転手を務めるなど、すでに大型2種免許を持っている。
北海道は20代から何度も訪れていた。美幌町にも訪れ「道路が広くて静かなまち」との印象を抱いた。自転車やバイク、鉄道などで主に道内の自然にふれるうち、移住を考えるようになったという。
廣田さんが美幌町の協力隊員に採用されたことを知り「ここしかない!」と自らも応募。応募からわずか2カ月で移住を果たした。
14日は役場で委嘱状交付式が行われ、平野浩司町長が浜谷さんに委嘱状を手渡し「地域の方と交流し、末永く活動していただけたら」と激励。北見バスの福村泰司社長が「即戦力。地域に愛される運転手になってください」と、浜谷さんに制服を手渡した。
浜谷さんは「寝ても覚めても北海道にいられるのがうれしいです。美幌町は観光客がまちを通過する課題があり、人口も減少していると聞いています。活気が出て盛り上がるよう頑張ります」と抱負を述べた。
雇用は美幌町の委託を受けた北見バスが行う。浜谷さんは研修を経て、美幌などの郊外線を運転する。 (浩)