利用促進策から一転…夏季閉鎖に

2025-02-07 掲載

(北見市/社会)

北見市・財政健全化計画の影響
市民スケートリンク

 北見市はひっ迫する財政の立て直しに向けて策定した財政健全化計画のアクションプラン「公共施設の見直し」のひとつとして、市民スケートリンクの夏季閉鎖を盛り込んだ。市はこれまで夏季の利用促進に力を入れ、指定管理者の努力もあって年々利用が増加。しかし突然の市の方針転換に指定管理者や利用者の困惑が広がっている。

突然の方針転換に困惑広がる
夏季はリンク造成の準備も
「例年通りのオープン困難に」

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愛犬家から人気のドッグラン

 同スケートリンク(北見市光葉町、2014年全面オープン)は400㍍ダブルトラック、アイスホッケー場のほか、多目的広場、散策路、植樹エリア、管理棟などで構成。北見冬季スポーツ振興会(工藤正俊理事長)が指定管理者を務める。

 同計画によると、市は2027年度からリンクを夏季閉鎖する考えで、年間850万円の歳出削減を見込む。リンクは冬場の利用がメインだが、市はこれまで夏季の利用促進にも力を入れ、スケートボードやローラースケート、多目的広場はペタンクやモルックなどの練習場所、大会会場などで利用が拡大。また敷地の一部に開設するドッグランは愛犬家に喜ばれている。

 昨夏(5~11月)は多目的広場が延べ3404人、ドッグランは延べ2814人(2117頭)、スケートリンクとアイスホッケー場は延べ695人、合計6913人(2023年度は5778人)。このほか会議室の利用もある。

 夏場は冬のスケートリンク造成の準備期間にも充てられており、リンクの塗装などメンテナンス作業も行う。しかし夏季が閉鎖となれば、こうした準備ができなくなってしまう。

 同振興会の工藤理事長は「夏季に閉鎖すると、例年通りの時期にリンクをオープンさせるのは困難」と語る。さらにはスタッフの通年雇用も維持できず「団体の解散や撤退も考えなければならない」と肩を落とす。

北見市ペタンク協会は継続使用求め要望書提出
ドッグラン利用者も署名活動など検討へ

 7年前から多目的広場を利用する北見市ペタンク協会は昨年11月、広場の継続使用を求めて市に要望書を提出した。村上英樹会長は「グラウンドは水はけが良く、草取りなどの管理も手厚い。振興会には種々便宜を図っていただき、ペタンクには最高の環境」と語る。日々の練習のほか全道大会や東日本選手権の会場としても使用。市の夏季閉鎖の方針については「中学校部活動地域移行の会場にも考えていたが、それもできなくなる。財政状況は理解するが、私達にできるところは協力したい。ぜひ利用を続けさせてほしい」と訴える。

 さきごろ敷地内で開かれた紙袋ランタンまつりを取りまとめた伊藤綾子さん(みよし小規模保育園nico理事長)は、愛犬家でもあり夏場はドッグランを利用。「アクセス、広さ、使い勝手が良く、リードを外して思い切り走らせてあげられる貴重な場所」と話し、存続に向けて署名活動も検討しているという。

 市は昨年12月に開いた市民説明会での意見などを踏まえて実施計画策定や新年度予算編成を行う。 (柏)

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ペタンクなどができる多目的広場

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