2025年第1回定例北見市議会は12日、4会派が代表質問を行い、集中健全化期間の初年度を迎える財政健全化計画などについて質疑を交わした。
現在の市の財政状況について辻直孝市長は「本市の健全化判断比率は、法の定める基準を大きく下回っており、財政破綻状態に陥ることはないと判断している」と答弁。また、一部で報道された新年度予算編成における15億円の新たな財源不足については、「当該不足額は歳入、歳出の積算途中の差額であり、予算編成作業の過程で生じる。通常は歳入、歳出積算額のさらなる精査や事業の一部先送り、基金からの繰入などのやりくりで調整するが、本市は余力が少ないため庁内に向けてアクションプランに影響がない範囲でさらなる対応策を広く求めた。その結果、歳出の抑制、歳入の見直しなどの措置を講じ、新年度予算の収支均衡を図ることができた」と理解を求めた。
松谷隆一議員(市民クラブ)は「このような財政赤字を招いた責任を取って辞任すべき」と詰め寄ったが、辻市長は「財政健全化に向けて責任を持って取り組む」との姿勢を示した。
菊池豪一議員(日本共産党)は「市町合併から15年後に特例措置の合併算定替が一本算定に変わり普通交付税が減ることに全く危機感がなかったのではないか」と質問。辻市長は「合併検証報告書では、おおむね安定した財政運営図られていると評価されており、近年の急激な物価高騰の影響を非常に強く受けた」との見解を示した。
仮想空間活用したいじめ・不登校対策も
このほか新年度事業に盛り込まれたメタバース(仮想空間)を活用したいじめ・不登校対策について佐々木賢一教育長が答弁。「メタバース空間で自学に取り組めるようコンテンツやアプリケーションによるドリル学習などを活用した学びの場を設定するとともにコーディネーターとの交流、子どもが作成したプログラミングゲームやデジタルアートを展示するギャラリーなど児童生徒の交流の場を段階的に設ける。さらに月に1回程度対面による体験交流活動の場を設ける」などと述べた。 (柏)