
警察からの要請を受け行方不明者の捜索などに協力する、道警北見方面本部の「嘱託警察犬」の審査会が6月24日、北見市で行われ、管内の3頭が挑戦した。審査会デビューの犬もいて、自慢の鼻で懸命に遺留品を探していた。
ふだんは一般家庭で愛犬として過ごし、警察の要請を受けた場合に行方不明者の捜索や犯罪の捜査に協力する。管内の出動要請は一昨年の6件に対し昨年20件と増加傾向にある。
年1回審査を受けなければならず、今回は現役嘱託警察犬として登録されるいずれもメスの遠軽町のシェパードと網走市のラブラドールレトリーバーの2頭に、初めて審査を受ける網走市のメスのシェパード1頭が加わった。
審査の種目は仮想犯人の足跡の臭いから逃走経路を追う「捜索」。犬の反応を的確に感じ取り、判断・対応する指導手の技術や能力も審査された。
ビニール袋の中の匂いを嗅いだ挑戦犬は、仮想犯人が歩いたと思われる足跡を匂いを頼りに追及し、遺留品のところで立ち止まった。隠された小さな木片とビニール片の遺留品2個を4分以内で発見するのが一つの目標。
今年は更新の2頭と初挑戦の1頭が「捜索」で登録目指す
今年初挑戦のメスのシェパードの愛称オルタも地面すれすれに鼻を近づけながら、仮想犯人のたどった経路を匂いの記憶だけで追った。飼い主で指導手の網走市・永田愛さんは「暑くて集中力が途切れがちな中、よく頑張ったと思います」と愛犬の頑張りをたたえ、ご褒美は「お肉かな」と笑顔をつくった。
管内の嘱託警察犬の登録数は長く1頭しかいない状態が続き、それを知った永田さんが愛犬の訓練を手がけ、昨年の挑戦に続き、2頭目の登録をめざした。同本部鑑識課は管内の登録が「3頭になれば、出動態勢にも融通がきく」と期待していた。審査に合格すると9月から1年間、嘱託警察犬として活動する。 (寒)
