
年の瀬のしめ縄づくりの材料となる、すげの刈り込み作業が置戸町秋田地区で行われた。住民が協力し、手作業でしめ飾りを制作するのが同地区の習わし。12月の作業に向けて「今年も青々としたすげが採れました」と真夏の準備に余念がない。
しめ縄を地域で手づくりする伝統文化は少なくなってきている。秋田地区はすげを材料としたしめ縄作りが代々伝わる。清浄を意味する「すが」が語源とも言われ、同地区ではすげを大切にしてきた。
すげはカヤツリグサ科の多年草。どこにでもは生えておらず、湿地を好む。同地区でも限られた場所に生え、土地の所有者に断って刈り取らせてもらう。
今年は雨が少なかったが、十分な生育が保てた。参加した地区のベテラン女性が、巧みに草を分別する作業(※動画)を見て、若手おとこ衆はその素早さに「かなわない」。
日陰に10日間ほどはぜ掛けし乾燥させた後、新聞紙にくるんで12月の出番を待つ。青々さが、生き生とした生命力に通じることから、神聖な伝統作業は真夏の時期も大事だ。 (寒)

