
北見の栗原春香(しゅんこう)さんが、自身の小説やエッセイ5編を集めた「栗原春香作品集」を上梓した。栗原さんは「自分自身の記録や区切り、印をつけるという意味で今回はじめてこれまでの作品をまとめました」と話している。
収録しているのは、親戚の手紙をきっかけに、津別町から移民団としてブラジルに渡った男性の生きざまを当時の世相とともに描いた「ジャポネース・ガランチード」、林白言文学賞佳作に選ばれた「先生のばせをさん」や雑誌に掲載された1992年のエッセイ「心も熱くなったソウルの公衆浴場(韓国一人旅)」など。雑誌掲載作は当時のまま、創作は今回の作品集のために加筆修正した。
5編をめぐる「列車の旅」をイメージし、手に取りやすいようにと表紙にはあえて子どものようなタッチで自身が描いた列車のイラストをあしらった。
栗原さんは、1988年から同人誌に作品を投稿。作品集を出版するのは今作がはじめてで「年齢に背中を押された感じ。ばらばらになっていた原稿を、40~70代とおおよそそれぞれの年代から選びました。北見にもこういう人がいると知ってもらえたら」という。
また、「これを土台にまた書こうと思っています」とさらなる意欲をみせている。
223㌻で、900円。市内の福村書店、珈琲工房「ばんかむ」、コーチャンフォー北見店などで販売している。
問い合わせは栗原さん(0157-25-9986)へ。