連載 進む人口減少 網走社協の役割は?㊤

2025-09-04 掲載

(網走市/社会)

「生活支援体制整備事業」
スタートから8年経過

 人口減少に歯止めがかからない網走市。伴って、町内会も減り続け、地域コミュニティの維持・発展が困難になってきた。こうした状況下において、網走市社会福祉協議会(網走社協)は市の委託事業を通じて、住民相互による介護予防の普及などに取り組んでいる。委託事業スタートから8年が経過。成果や課題などを調べてみた。 (大)

町内会の存在意義も薄れ
豊かな人生送るため、地域交流を維持・発展

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■困難な時代

 網走市の人口は減り続ける。11年前、水谷市長は2選目の市長選で、「人口減少社会への挑戦」を公約テーマに掲げ、無投票当選を果たした。

 今年6月末の網走市の人口は3万1732人。10年前と比べ5800人ほど、20年前より9400人ほど減った。単純計算だが、毎年500人前後が減っていることになる。

 人口減少は、町内会の衰退にもつながっている。

 昨年3月末時点の町内会数は199。加入率(全世帯数に占める町内会加入世帯の割合)は58%で、過去8年データにおいて50%台に突入したのは初めてだった。

 人口減少に伴い、地域コミュニティの維持・発展が困難な時代となった。地域単位での高齢者ケアなどの問題が目に見える形で浮上し、その解決の糸口を見つけるため、網走社協は「生活支援体制整備事業」を受託し、各種の取り組みを進めている。

■住民が主役

 同体制整備事業は、2017(平成29)年度にスタート。事業の目的について、同社協作成のパンフレットでは次のように説明している。

 「年齢を重ねても、住み慣れた地域で生きがいをもちながら、自分らしい生活を送れる環境づくりを住民の皆様や関係機関等と連携を図りながら進め~中略~この取り組みは『住民が主役』です」としている。

 この説明を記者が要約すると、「住み慣れた場所で豊かな人生を送るには、そこに住む人々の日常コミュニケーションが重要。人口(若者や子ども)が減り続ける中で地域コミュニティを維持・発展するには、そこに住む人々による自発的な行動が不可欠」となる。

 …………………

 町内会の存在価値が薄れる中、住民自身による地域コミュニティの維持・発展は可能なのだろうか?。次回は網走社協の取り組みなどを紹介する。

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