
全国アビリンピックは障がいのある人が日頃職場などで培った技能を競う大会。職業能力の向上を図るとともに社会一般に障がいのある人々に対する理解と認識を深めてもらい、雇用の促進を図ることを目的に開催している。国際アビリンピックの派遣選手選考会を兼ねて実施。
斉藤さんは知的障がいがあり、北海道北見支援学校高等部を卒業後、就労継続支援B型の同事業所に通所、木工作を担当している。一昨年の全道大会を制し初出場した全国アビリンピックは「銀メダルを受賞し嬉しかったけれど審査員から、もう少しで金メダルを取れそうだった」と評価され悔しさも残った。
再挑戦に向け今年4月から、課題テーマの木箱の制作練習を開始。木と木を組む伝統的な技法の蟻組み接ぎを用いる高難度の課題に、実直に向き合ってきた。施設管理者で指導する、太田伸一さんは「斉藤さんは教えたことに対し自分で考え、工夫し克服していた」そう。
前回大会では銀メダル…実直に努力積み重ね
金賞と国際大会出場、一般就労めざす
前回、課題に残ったカンナがけも美しくこなし、全道大会では繊細な蟻組み接ぎの木箱を時間内に制作。太田さんは思わず「俺よりうまい」と感激。「努力を積み重ねた結果ですね」とたたえる。
斉藤さんは自分の思いを言葉にしたり、説明したりするのが苦手。大舞台を前に「自信がない」というが、心の中では全国金賞と国際大会出場、そしてその先の一般就労も密かにめざしている。 (寒)