
通常の開館日より薄暗く感じる館内からは「ピピッ―」という電子音が響き渡る。職員が黙々と専用端末を手に、図書資料に貼られた管理用バーコードを1冊ずつ読み込む作業中だった。
蔵書点検は、図書館資料の所在が登録データと一致するかを一つひとつ確認するために行われる「棚卸し」に相当する大切な作業。職員総出で行われ、割り振られた持ち場の本のバーコードを漏れなくスキャンしていく。
書架の高さに合わせて立ったり、しゃがんだりを繰り返す。1日に何百冊もの本を触るため、手荒れ防止や滑り止めのため、多くの職員が手袋をはめていたのが印象的だ。作業は単純だが1日が終わると「肩回りが疲れますね」と職員。地味な作業ながらじわりと疲労がたまる。
スキャン作業は休館2日目で終わる。短く感じるが、あらかじめ準開架スペースの資料の読み込みなど、通常業務と並行して行える作業を済ませているからこそ。バーコードの読み込み後は図書館システムの登録データと照合し、所在が分からなくなっている一次不明本の〝大捜索〟が行われる。
蔵書のスキャン後は不明本の〝大捜索〟
不明本は、しまうべき棚とは違う場所にあったり、本棚の裏側に入り込んでいたり、貸出や返却処理忘れによって発生する。「どんなに気を付けていても人がやることだからヒューマンエラーが避けられないことがある」と、同館の森田はるみ次長。本は町民の財産という考えを基本に、不明本が発生した要因を追求し、休館期間中に「全職員でミスの情報共有をする時間を設けることを大事にしています」と話す。
「本は町民の財産」職員一丸で適正管理に力
蔵書点検では、図書館職員が一体感を持って町民の財産を適正に管理するとともに利便性アップに向けて地道に努力する姿があった。置戸のみならず、各地域の図書館職員さん「ありがとう」。 (理)
