
北見市端野町の美術品を鑑賞する「美術めぐりinたんの」が25日、端野町公民館などで行われた。18人が参加し、同公民館に展示している絵画など、地域にゆかりのある22点の芸術作品に触れた。
美術めぐりは、地元に優れた美術作品があることを知ってもらいたいと、NPO法人オホーツク文化協会が2019年から市内各自治区で実施している事業。5回目の今回は、同公民館と共催して行われた。
同協会の小川清人理事長が、公民館の廊下や各部屋、エントランス、ギャラリーに展示している作品を中心に解説。旧端野町に住んでいたことのある版画家・手島圭三郎作の絵本と原画をはじめ、普段は端野総合支所の応接室に展示しているという佐藤光郎作「遠い記憶」など、絵画の鑑賞の仕方とともに紹介した。
かつて端野町教育長室に展示し、現在公民館に収蔵している市内在住の阿部賢一さんの作品は、阿部さん自身が解説を担当。阿部さんは同町緋牛内出身で、作品は農業をしていた阿部さんの両親を描いたという油彩画。当時の思い出などを語り「55年ぶりに(絵と)再会しました」とうれしそうに話した。
屯田の杜公園では「丘の上のクラーク像」(札幌市)で知られる彫刻家・坂胆道作のレリーフと胸像を紹介。参加者は興味深そうに像などの裏側にもまわって鑑賞した。また、希望者は歴史民俗資料館も見学した。
初めて参加したという70代の女性は「知らないことばかりでとても楽しかったです。有名な方の作品がこんなにあるんだと驚きました」と話していた。 (菊)
