
北見市は10月29日、介護施設を手伝いたい人(有償ボランティア)と施設をつなぐアプリ「スケッター」を運営する㈱プラスロボと、連携協力に関する協定を締結した。
市は、介護人材の確保と介護現場と地域とのつながり強化を目的に、市と同社の協力による新たな体制を整える。この取り組みは、国のモデル事業として12月から3月まで実施し、その後、連携協定に基づく無償トライアルを4月から9月末まで行う。この期間中は、登録事業所の利用料が無料となる。合計10カ月で「スケッター」の定着を図る。
協定の有効期間は2025年11月1から26年9月30日まで。
「スケッター」とは、介護福祉施設などでの身体介助を伴わない周辺業務を、空き時間に手伝いたい人と施設をつなぐ謝礼付きのマッチングサービス。参加者は、無資格・未経験でも登録可能で、希望する募集に応募し、当日は施設職員の指示のもとで活動する。ボランティア登録は無料。
未経験者など掘り起こしたい
同社代表取締役CEOの鈴木亮平さんによると、現在の登録者は、10代から80代と幅広く、「未経験者でも大丈夫なので、若い世代や元気な高齢者の力を掘り起こしていきたい」と話す。
また、実証事業を行った神奈川県小田原市では、「スケッター」を通じて施設でボランティア活動を行った人のうち、半年で6人が就職につながったという。鈴木さんは「施設ではシーツ交換や食事の片付け、レクリエーションなどさまざまな仕事がある。自分の得意なことをお手伝いする中で、興味を持ち資格を取った人もいる」と語る。さらに、「スケッターは、地域の役に立ちたいという福祉マインドを持つ方が多く、困りごとがあれば手伝いたいという方がほとんどです」と話した。
同社は全国で17の自治体と連携しており、北海道では北見市が初の取り組みとなる。
「スケッター」は介護事業のほか、障害者施設、学童、こども食堂などでも活用が広がっている。 (知)