北見地区消防組合消防署の通信指令室は、組合管内の119番通報を一括受理している。通信指令課によると、その年により増減はあるものの119番通報は長期で見ると増加傾向が続く。今年1〜9月の受理件数は5729件(前年同期間は5705件)に上る。
今年の5729件の内訳は「救急」が4892件(前年同期間4927件)、「火災」が87件(同84件)、「救助」が97件(同71件)、「その他災害」が103件(同63件)。このほか「問い合わせ」が245件(同315件)、「間違い」が305件(245件)など。
間違いや問い合わせは、年により増減が大きく今年は昨年に比べ問い合わせが減少する一方、間違いが増加した。
同課によると、近年は、強い衝撃を受けると自動的に119番通報をする機能が搭載されたスマートフォンなどもあり、意図しない通報が増えているという。
このほか、「救急車のサイレンを鳴らさないでほしい」といった要望もあるが、同課は「救急車や消防車は、道路交通法で定められている緊急車両のため、緊急時にサイレンを鳴らさずに走行することはできません」と理解を求めている。
通報の際は最初に「火事」か「救急」かを伝え、消防の問いかけに応じて場所や状況を伝える。同課は「通話中も出動準備を進めているので、落ち着いて質問に受け答えしてほしい」としている。
このほか10月からは、救急隊員が「マイナ保険証」で傷病者の情報を閲覧する「マイナ救急」がスタート。消防では「家族でカードの保管場所を共有し、すぐに提示できるようにしてほしい」と呼びかけている。
マイナ保険証は健康保険証として利用登録したマイナンバーカードで、救急車に備えてあるカードリーダーで読み取ると、服薬情報や医療機関の受診歴が確認できる。傷病者が会話困難な状況でも救急搬送に必要な情報を把握することが可能で、迅速・適切な対応につながる。 (柏)
