
■9千万円
市は防災ラジオの無料貸与を始めるため、2019(令和元)年度当初予算に7400万円を計上。防災ラジオ1台の価格は約1万円とされており、19年度当初予算の大半はラジオ7千台の購入費に充てられた。
市は、地元ラジオ局「FMあばしり」の開局(19年2月)に合わせる形で防災ラジオの無料貸与を開始。市は、同ラジオ局の番組を通じて定期的にまちの情報を発信しており、双方は万が一に備え、強い協力体制を敷いている。
同ラジオ局は22年度、送信アンテナを海抜高217㍍位置に移設する工事を実施。弱電界エリアの約500世帯をカバーする目的で、市は移設工事費の半分相当となる896万円を補助した。
市はこのほか、アンテナ移設に関する事前調査費303万円を拠出している。
■対象枠を変更
市は、防災ラジオの貸与対象枠を2回変更している。
20年4月には、「75歳以上の世帯」から「70歳以上―」に拡大。また、「津波浸水想定区域に住む世帯」と「市内に常設する店舗・作業所・事業所」を追加した。
さらに、同年11月には貸与条件の年齢制限と対象区域を撤廃。事実上、「市民(市内事業所など)なら誰でも借りられる」制度に切り替えた。
対象枠を変更した主な理由は、「当初対象と想定した方への貸与は概ね終えたと判断し、より多くの方へ貸与するため」(市の担当者)だ。
対象枠の撤廃に伴い、20年度の貸与数443台、21年度は826台と増加傾向に転じた。しかし、今年度は7月末時点で161台となっており、前年度実績を下回るペースで推移している。