連載 防災ラジオの現状~網走市~ ㊤

2025-12-04 掲載

(網走市/社会)

貸与開始から6年経過
用意台数の7割、市民宅や事業所へ

 網走市が「防災(緊急告知)ラジオ」の無料貸与を始めてから6年経過した。これまでに貸与対象を2回変更したほか、ラジオ電波送信用のアンテナ移設工事を補助するなどして、利用者拡大を図ってきた。貸与したラジオは延べ約5200台、投じた事業費は計9千万円近く。防災ラジオの現状などを紹介する。 (大)

〝在庫対策〟でV字回復?

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■命と財産を守れ

 網走市の「防災ラジオ」は、電源が切れていても緊急時に自動で起動し、ブザーやアナウンスが流れる仕組みになっている。2019(令和元)年12月から無料貸与を始め、当初の対象者は①75歳以上の高齢世帯②災害時要援護者③区長・町内会長④民生・児童委員⑤70~74歳の希望者―などとしていた。

 無料貸与するために用意した防災ラジオは7千台(1台の価格は約1万円)。初年度の貸与数は1541台で、過去の単年度実績で最も多く、市民の関心は高かったことを裏付けている。

 貸与制度の創設時、市の担当者は「防災ラジオが市民の命と財産を守ることにつながれば」と、大きな期待を寄せていた。

■関心薄れ

 防災ラジオの単年度ごとの貸与数を見てみると、20年度は1159台、21年度は284台に減少。22年度はさらに減って99台となり、初めて「100台」を割込んだ。

 防災ラジオが対象者の大半に届けば、年間貸与数は徐々に減少していくのは当たり前だ。しかし、貸与数の減少ペースは想定を上回っていたようで、市役所には大量の〝在庫〟が保管される状況となった。

 防災ラジオの在庫数を調べると、23年度末で3474台となっており、この時点で当初用意した7千台の約半分が役所などに保管されていた。

 在庫を抱えた状況については、市議会でも度々、問題視された経緯がある。

 市は、23年4月と11月、貸与対象枠の変更に踏み切る。その結果、年間貸与数は〝V字回復〟するのだが…

 …………………

 次回は、防災ラジオの無料貸与に関して、市がこれまでに投じた事業費の詳細などを紹介する。

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  • 防災ラジオ

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