
■計画通り
7月30日は、北見市や紋別市にも津波注意報が発表。両市は同日、漁港区域や海岸にいる住民らに避難指示を出した。
同日、網走港では30㌢の津波を観測。網走市は北見市や紋別市とは異なり、沿岸住民らに避難指示は出さなかった。その理由は「防災計画では、注意報の場合は避難指示を出すようになっていない」(担当職員)からだ。
網走市の「地域防災計画」(令和4年3月に改訂)を調べてみると、『津波警報が発表された場合~中略~市長は、沿岸住民等に対して直ちに退避、避難するよう指示を行う』と記されていた。
この文言を、「津波警報・注意報が発表された場合」と修正すれば…。北見市と紋別市のように、「注意報レベル」で避難指示を出されるようになるわけだ。
■とにかく逃げて
7月30日の津波注意報発表時、網走市職員の大半は冷静だった。一方で、市民の一部はかなり動揺したようだ。
当時、網走川の河口付近に住む女性市民Aさんはテレビで網走市に津波注意報が発表されたことを知った。今年2月に供用開始となった市役所・新庁舎は「防災拠点施設」でもあることを思い出し、まずは市役所へと向かった。
市役所に到着し、中に入ると、職員は何事もなかったように仕事している。「はて」と思ったAさんは自宅に引き返そうと思ったが、携帯電話が鳴り、遠方住む親族から「とにかく逃げて。早く高台に避難したほうがいい」と促され、自宅に戻らないことを決断した。
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次回は、新庁舎の一時避難スペースや防災ラジオの〝役割〟などについて紹介する。