物流の2024年問題や鉄道貨物の課題などを考えるオホーツク物流セミナーが10月27日、北見芸術文化ホールで開かれた。
オホーツクは道内物流課題の象徴地域
北海道物流を支える鉄道輸送の会、オホーツク商工会議所協議会などが主催。北海商科大学商学部教授で日本物流学会副会長の相浦宣徳氏による講演と物流業界関係者らによるパネルディスカッションが行われた。
相浦氏は「オホーツクにおける物流問題の整理と打開に向けた議論の方向性」をテーマに講演。相浦氏は北海道新幹線の札幌延伸に伴う並行在来線の存廃問題や深刻なドライバー不足などが懸念される2024年問題を解説。「オホーツクは、北海道が抱える物流課題の象徴地域のひとつ。ワーストシナリオは地域間の生き残りをかけた輸送力争奪戦の開始。なんとかそれを防ぎたい」と訴えた。
求められる商習慣の見直しや意識変容
パネルディスカッションは北海道商工会議所連合会事業推進部長の福井邦幸氏、国分北海道物流・システム部長の島淳二氏、ホクレン管理本部物流部長の湊興令氏がパネリストを務めた。
福井氏は「北海道の物流は鉄道、トラック、海運が絶妙なバランスで維持されている。しかし2030年には3割の荷物が運べなくなる可能性がある」と指摘。「まずは現状を知り、意識を変えていくことが求められる」と語った。
島氏は「2024年問題の影響で、これまでのように小売店へ配送できなくなる強い危機感を持っている」とし、「共同配送や帰り便の活用など配送効率の向上や商習慣の見直しが必要」と述べた。
湊氏は「荷主企業、物流事業者、一般消費者が協力して国の物流を支えることが重要」と呼びかけた。(柏)