置戸町教育委員会と郷土資料館は「地中に眠る鉱山遺跡」と題して、さきごろ町内で発見された鉱山坑道跡から掘り出された坑木やレールを町中央公民館ロビーに展示している。鉱山に関わった家族らが訪れ、歴史資料に見入っている。12月3日まで。
8月下旬、町北光の国道242号改良工事中に偶然、約80年前に稼働していた鉱山の坑道跡が見つかり、道路を管理する網走開建が調査していた。
今展を企画した同町教委の池田一登学芸員によると、約30㍍の坑道跡から多数の木材が取り出された。坑道の柱となる直径約20㌢、長さ約180㌢の枠脚をはじめ岩盤崩落防止に使われた丸太の矢木(やぎ)や矢板、天井の太い梁(はり)など、状態が比較的良い20点を公開した。トロッコが走ったと思われる細いレールは赤錆びが歴史を物語っている。
当時の写真やパネル解説を添えている。
鉱山で父親が働いていたという人が感慨深げに見入っていた。
池田学芸員は「置戸鉱山の様子や今回の出来事を記録する貴重な資料として今後、資料館に保管するが、その前にひと目見てもらえれば」と話している。