日本航空の安全担当 職員ら講演
北見地区防火推進協議会(山内克也会長)主催の2024年度防災管理研修会が10月25日、北見市内の端野町公民館で開かれた。日本航空(JAL)空港本部長付部長で安全担当の職員らが「JALグループにおける安全の層を厚くする取り組みについて」をテーマに講演し、約170人が耳を傾けた。
同社は、乗客乗員520人が死亡した1985年の日航機墜落事故を受け、事故防止対策を本格化。職員は講演テーマにある「安全の層」について「事故を食い止めるには、様々な取り組みを幾重にも重ねることが重要。その大切さを示す言葉」と説明。「経営トップが率先して安全の大切さを浸透させなければならない」と呼びかけた。
安全への意識付け「三現主義」も紹介
落ち着いて仕事ができる環境づくりも大切
安全への意識付けを図る同社の「三現主義」についても紹介した。「三現」とは「現地(事故現場)」「現物(残存機体、遺品)」「現人(事故に関わった人)」を指す。
「現地」では御巣鷹山への慰霊登山、「現物」では安全啓発センターでの事故機材や乗員の手記などの資料展示、「現人」では事故の経験を語り継ぐ取り組みを実践している。職員は、「実際の事故を知る現人は少なくなっているが、事故を知らない若い世代にもつないでいく必要がある」と述べた。
現在進めている安全対策は「現場が安全を大前提として立ち止まる環境づくり」と説明。「あせってしまう、急がなければならない状況が事故につながる。落ち着いて仕事ができる環境づくりに向け、人の確保、時間の確保などに取り組んでいる」と語った。(柏)