市教委が市いじめ問題調査委について説明
■報道受けて
同市教委が第三者調査委員を設置したのは中学生が亡くなってから数カ月後の10月11日。すでに調査は始まっているにもかかわらず(11月9日までに3回開催)、同市議会に一切報告をせず、調査に係る予算措置は不透明なまま、独断で内密に調査を進めていた。
中学生が亡くなったことに伴って第三者調査委が設置されていたことは、本紙をはじめ北海道新聞(11月11日朝刊)と読売新聞(11月12日朝刊)が報じた。
新聞報道を受け、学校教育を所管する同市議会・文教民生委員会(委員長・永本浩子議員)は、同市教委に対して予算措置の方法などについて説明するよう求めた。
非公開の理由「プライバシーにかかわる内容に触れるおそれ」
市議OB「秘密会は過去40年で1度のみ」
■秘密会
11月21日の同市議会・文教民生委員会の一部は、同市議会の委員会条例に基づいて「秘密会」として開催。同市教委はこの「秘密会」で、第三者調査委を設置した理由などを説明した。
「秘密会」は非公開で、関係者以外出席できない。議事録は残すが公表しないことになっており、「秘密会の議事は、何人も秘密性の継続する限り他に漏らしてはならない」とされる。
市議OBによると、網走市議会においての秘密会は、「40年ほど前に1回だけ開かれたと記憶している」
異例となった11月21日の同市議会・文教民生委員会。秘密会にした理由は「プライバシーにかかわる内容に触れるおそれがある」(永本委員長)ためだ。
報告の遅れは「遺族への配慮のため」
■厳しい意見
11月21日の同市議会・文教民生委員は、第三者調査委の設置・調査に係る予算措置の説明部分については公開された。
第三者調査委を設置し、すでに調査が始まっていることを市議会に説明しなかった理由について、同市教委の担当者は「遺族に最大限の配慮を行い、迅速に進めていく必要があった」とした。
網走市議会議員16人全員は、新聞報道により第三者調査委が設置されたことを知った。市議会にも報告せず、予算措置も不透明なまま〝内密〟に第三者調査委員会を設置した同市教委の姿勢に対し、11月21日の同市議会・文教民生委員会では、複数の市議から厳しい意見が相次いだ。
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網走市では、今回とは別のいじめ問題で第三者調査委員会が設置され、調査が進められている。人口3万人台の小さなまちで、同時期に2つの第三者調査委が設置されるのは異例だ。取材を進めると、同市教委の「主体性のなさ」が浮かび上がってくる。
次回は、11月21日の同市議会・文教民生委員会での複数市議による同市教委への厳しい指摘の内容などを紹介する。