■8割は人件費
新庁舎は、南4条通り商店街にあった旧金市舘ビル跡地周辺(南5条東1)に建つ。市は建設地を決める際、いくつかの候補地を選定して議論を進めた経緯がある。水谷市長が大きな期待を寄せる新庁舎は来年2月に完成する予定だ。
新年度予算案に盛り込まれた「中心市街地活性化支援事業」(1091万円)。中心市街地の関連事業の中で、最も多額の予算を投じる事業だ。
1千万円を超える多額の予算だが、詳細を調べると、その大半は「地域おこし協力隊」(2人分)の人件費だった。
同隊員の人件費・活動費は約880万円。同支援事業費の約8割を占める。
■「ナシタ」
「中心市街地活性化支援事業」予算に盛り込まれた、地域おこし協力隊員2人分の人件費。この2人の活動場所は、南4条通り商店街にあるコワーキングスペース「ナシタ」だ。
ナシタは、空き店舗対策の一環として2022(令和4)年10月にオープン。中央商店街振興組合の理事長が社長を務める「株式会社まちなか網走」が運営し、インターネットの利用環境を整備し、出張ビジネスマンらのための仕事スペースなどとして利用してもらっている。
ナシタの現在の従業員は3人。このうち、地域おこし協力隊員2人が働いており、貴重な労働力となっている。
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「中心市街地活性化支援事業」予算の大半は、地域おこし協力隊員の人件費である。予算額だけで考えれば、同支援事業で水谷市長が最も力を入れるのは〝ナシタの運営〟となる。
空洞化が進む南4条通り商店街(※表参照)。水谷市長は、来年2月に完成する新庁舎、そして多額の予算を投じる「ナシタ」の存在に大きな期待を寄せている。