中心市街地活性化策㊤

2024-02-29 掲載

(網走市/社会)

~網走市の新年度予算より~

 網走市の南4条通り商店街そばで市役所・新庁舎の建設が進んでいる。水谷洋一市長は、ここに建設することを決めた理由の一つに「中心市街地(南4条通り商店街など)の活性化」を挙げた。先日発表された市の新年度予算案には、中心市街地活性化対策支援事業(1091万円)が盛り込まれた。新庁舎建設までの経緯を踏まえると、同支援事業は水谷市長の〝肝入り〟とも受け取れる。詳細を調べてみた。(大)

事業費1091万円、大半は地域おこし協力隊員の人件費

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■8割は人件費

 新庁舎は、南4条通り商店街にあった旧金市舘ビル跡地周辺(南5条東1)に建つ。市は建設地を決める際、いくつかの候補地を選定して議論を進めた経緯がある。水谷市長が大きな期待を寄せる新庁舎は来年2月に完成する予定だ。

 新年度予算案に盛り込まれた「中心市街地活性化支援事業」(1091万円)。中心市街地の関連事業の中で、最も多額の予算を投じる事業だ。

 1千万円を超える多額の予算だが、詳細を調べると、その大半は「地域おこし協力隊」(2人分)の人件費だった。

 同隊員の人件費・活動費は約880万円。同支援事業費の約8割を占める。

■「ナシタ」

 「中心市街地活性化支援事業」予算に盛り込まれた、地域おこし協力隊員2人分の人件費。この2人の活動場所は、南4条通り商店街にあるコワーキングスペース「ナシタ」だ。

 ナシタは、空き店舗対策の一環として2022(令和4)年10月にオープン。中央商店街振興組合の理事長が社長を務める「株式会社まちなか網走」が運営し、インターネットの利用環境を整備し、出張ビジネスマンらのための仕事スペースなどとして利用してもらっている。

 ナシタの現在の従業員は3人。このうち、地域おこし協力隊員2人が働いており、貴重な労働力となっている。

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 「中心市街地活性化支援事業」予算の大半は、地域おこし協力隊員の人件費である。予算額だけで考えれば、同支援事業で水谷市長が最も力を入れるのは〝ナシタの運営〟となる。

 空洞化が進む南4条通り商店街(※表参照)。水谷市長は、来年2月に完成する新庁舎、そして多額の予算を投じる「ナシタ」の存在に大きな期待を寄せている。

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