北方領土の元島民とその後継者で組織する千島歯舞諸島居住者連盟オホーツク支部は、2月の北方領土返還運動全国強調月間に合わせ20日、大空高校で出前授業の「北方領土語り部&伝統芸能鑑賞会」を開催。同校1、2年生が耳を傾けた。
元・島民二世で同支部事務局長の北村浩一さんが語り部を務め、「祖父母の代から歯舞群島の志発(しぼつ)島に暮らし、海岸に行けば花咲ガニが無数にいて良質な昆布がたくさんとれたと話していた。かつてはビザなし訪問や墓参で訪れることができたが、ロシアがウクライナ侵攻してからは中止されている」と状況を説明。群島最大の島で約2千人住んでいたが「今は軍人が駐留するだけで誰も住んでいない」と故郷への思いを伝えた。
根室市出身で同じく元・島民二世の落語家、三遊亭金八さんは名作「まんじゅう怖い」などを披露。得意の謎かけで「北方領土とかけて」と出題し、生徒達の興味を誘っていた。
北村さんは最後に「今もこういった活動を続けている人達がいることを忘れないでいてください」と呼びかけ、生徒達は熱心に聴き入っていた。(寒)