■先生の負担
国は2025年度までの3年間を、休日における学校部活動を地域に移行させる「改革推進期間」と位置付ける。背景には、学校(教職員)の働き方改革がある。
網走市は国の求めに応じて、昨年10月に同協議会を設置。部活動の地域移行に向けた検討を本格化させた。
アンケートは市内小学4~6年生と保護者、中学1~2年生と保護者、そして中学教職員96人を対象に実施した(※結果は市のHPで公開)。
教職員のアンケートでは「部活動の課題」についても尋ね、自由回答欄には様々な意見が寄せられた。一部を紹介する。
・「担当教諭への過大な負担」
・「勤務時間外に従事させられること」
・「肝心の教科指導研究がないがしろになってしまい、部活動の指導が邪魔となっている」
・「教職員はボランティアだと思いながら必死にやっているが、保護者は『仕事なんだからあたり前』と思っている」
・「大会で勝てば勝つほど自分の休みはなくなり、その分の振替の休みがあるわけではない」
名乗り出た市民は断られ…
■外部指導者
先日の網走市議会・予算委員会で、市内のA中学校が野球部の外部講師を募ったところ男性市民が応じたが、最終的には学校から断られていたことが明らかにされた。この男性市民は野球少年団などで指導歴があったという。
このケースを疑問視した市議からの質問に対し、同市教委は事実関係を把握していないとした上で「地域の指導者の人材確保は大きな課題。今後、部活動の地域移行を進めるにあたり、指導者の確保と子ども達のよりよい環境の充実を図っていきたい」と答えた。
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部活動の地域移行について、市民の関心は高い。昨年11月に市内で開催された住民説明会には131人が参加した。しかし、網走市においては、現時点でスタートラインに立ったばかりだ。同市教委の計画では、今年度内に地域移行の一部試行に着手し、2025年度以降には推進計画を策定することになっている。