■新3年生
桂陽高の3年生8人グループが市議会に請願を提出したのは、昨年12月。8人はもうすぐ卒業する。
市の新年度予算案に盛り込まれた、新規事業「アプトフォー活性化研究事業」(60万円)は、請願を提出した3年生が卒業したあとの4月以降に本格着手となる。
市の担当者は「今年4月に新3年生となる生徒と取り組んでいきたい」とする。すでに、同校とは事前打ち合わせを進めており、同校商業科・事務情報科の「課題研究」として取り組むという。
■厳しさ増す
市の同研究事業は、アプトフォーの空き店舗などへのフリースペース創設について調査・研究する。開設場所や開催後の運営費などついて調べ、桂陽生は市の担当者や網走商工会議所、アプトフォーの関係者らと意見を交わす。
桂陽生の提言による、商店街へのフリースペースなどの創設は、地元高校生が考案した人口減少社会への挑戦策とも言える。
人口減少などを背景に、商店街アプトフォーの状況は厳しい。
アプトフォーの商店からなる「中央商店街振興組合」の加盟店は、2008(平成20)年の60店に対し、23(令和5)年は38店と減少。店舗数の減少に伴って、商店街を訪れる人も少なくなっている。
市の調査によると、アプトフォーを含めた中心市街地の歩行者数は、19年度は「休日709人、平日1343人」。23年度は「休日347人、平日765人」で、ほぼ半減しているのが実態だ。
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桂陽生の請願は、停滞ムードの漂う地元商店街に〝新しい風〟を吹き込むはずだ。アプトフォー関係者の〝底力〟にも期待が寄せられる。