■少ない子ども
同校のまとめた、2028年度までの児童・生徒数の推移・推計値によると(※呼人在住の未就学児童がすべて就学し、現在在籍する児童生徒が継続して就学した場合)、2023年度の全生徒数は27人。24年度は18人、その後は10人台で推移するが、27年度は8人となり、初めて10人台を割込むことが予測されている。
今春、市内すべての小学校(9校)の新1年生は計206人(4月10日時点)。学校別では、潮見小の65人が最も多く、次いで網走小44人、南小37人、中央小23人、西小16人などとなっている。
9小学校の中で、新1年生がゼロだったのは呼人小学校のみ。同校の推計値では、27年度の新1年生もゼロとなっており、子どもの減少ペースは他地域より進んでいる傾向にある。
■定員「各学年10人程度」を想定
同校の小規模特認校の導入については、児童生徒の減少に伴って学校の存続を危ぶむPTAからの要望が背景にある。教員数も児童生徒の人数・学級に応じて定数が決められており、神田校長は「教員数が減ることは教育の質の低下にもつながりかねない」と懸念する。
呼人小中学校が小規模特認校制度の導入が決まったことを受け、市民の一部には自身が住む地域から子ども達が流出してしまうことを懸念する声もある。
神田校長は「小規模校としての魅力を維持していくためにも、特認校に認定後は、各学年の定員を10人程度としたい」との考えを示す。
もし、入学希望者が定員を超えた場合はどうなるのか?
札幌市教委は、特認校への入学希望者が定員を超えた場合のルールとして、「公開抽選とします。ただし、兄弟姉妹関係を考慮して決定します」(同市教委作成の「特認校のしおり」より)としている。
他地域から通学する場合、学校までの送迎も課題の一つだ。
現状では、保護者らによる車での送迎が中心になることが予想される。市は今後、制度のスムーズな導入に向けて多角的な視点での検討を進めるとしている。
同校は随時、学校見学を受け付ける考え。神田校長は「本校の魅力を知ってもらうためにも、まずは連絡をいただきたい」と話している。