ヒグマの出没や被害が増えるなか、警察官として、ヒグマの習性を知り、現場での対応に生かそうと、専門家を招いた対策セミナーが23日、道警北見方面本部で開かれた。
道立総合研究機構の間野勉専門研究員が講師を務め、道警北本、北見警察署の警察官40人が受講したほか管内7つの警察署をオンラインで結び実施した。
間野氏はヒグマの習性について事例をあげ「ヒグマと近接する知床番屋では約30年間、事故がない。ヒグマ=危険、と単純ではない」と問題の複雑さを指摘。また「市街地に現れるヒグマはパトカーに最初は驚くが、無害だと分かると昼間も堂々と出現するようになる」と最近の状況認識を参加者と共有した。
その上で「人間にとって問題となるような行動をヒグマに学習させないことが大事。学習させてしまうと非常にやっかいだ」と難解な課題を投げ掛けた。
間野氏は「初動の段階が重要。地域の出没情報は地元の役場が詳しい。警察官も今後出動が多くなるかもしれないが、町の鳥獣担当者と連携し初動の対応を間違わないように」などと助言した。(寒)