提言は、町議会の総務福祉常任委員会が24年6月に鳥取県伯耆(ほうき)町の取り組みを視察したのがきっかけ。委員会報告を受けて全員協議会で意見交換し、町議会の総意として提言した。
伯耆町は、認知症予防のため独自のプログラムを確立。対象者が運動や座学、計算やパズルなどの知的活動に取り組み、認知機能や身体機能の改善に効果を挙げている。
予防教室や認知症カフェも開設。参加の呼びかけや、参加者へのフォローなどにも力を注いでいる。
美幌町によると、町内の認知症と軽度認知障害(MCI)の人は約1200人。提言では、美幌町の施策について「不十分で改善の余地がある」とし、認知症の人を含めた町民が互いを尊重し、支え合う町の実現を目指すことを求めた。
視察先の取り組みきっかけに
検査導入など4項目盛り込み
提言の内容は大きく4つ。①認知症サポーター養成講座やセミナーなどで認知症への正しい理解を深めること②簡易スクリーニング検査導入による認知症やMCIの早期発見③教室など認知症予防プログラムを作成し「新しい認知症観」を普及啓発する④認知症対策の人材育成や包括支援センターの体制充実の検討―を盛り込んだ。
31日は戸澤議長、馬場博美副議長、委員会の松浦和浩委員長、藤原公一副委員長が役場を訪問。松浦委員長は「方向性を定め、取り組むべき案件と思います」と町に対応を求めた。
平野町長は「認知症とその家族の方が安心して暮らせるまちにするため何ができるか考えたい」と答えた。 (浩)