人々がよく言う「正義」の定義とはなんだろうか。そもそも人々が思う「正義」の解釈は一致しているのだろうか。私はふとそんなことを思った。
気になって辞書で意味を調べてみると、「正義」とは正しい道理。では正しいとはどういう意味なのだろう。人は平気で「正義」や「正しさ」を押し付けたがる。その言葉の意味はなんだろうか。
よく物語ではヒーローと悪者が戦う描写が描かれるが、なぜヒーローと悪者が戦うのかと聞かれたら「己の正義を貫くため」だと私は考える。
「悪には悪の正義がある」とはまさにその通りで、悪は自分を悪だとは思っていないのだ。これは現代の非行や犯罪にも言えることで、例をあげるならばSNSの誹謗中傷が1番わかりやすいだろう。
なぜ誹謗中傷が絶えないのかという疑問について、経営学者の田中辰雄元慶応大学教授は「誹謗中傷を書き込む理由の一つは、間違いを正さねばならないという気持ちから来る正義感である」とインタビューで答えていた。
「自分が正しい」と思う心が、現代の誹謗中傷を生んでいると言っても過言ではないだろう。だからこそ自分の中にある「正義」を他人に押し付けないこと、そして時には他人の「正義」にも目を向けること。それこそが世の中の平和に繋がると私は思う。
ヒーローと悪者はその「正義」のために戦う。そして私達一人ひとりも心の中に「正義」を抱え生きている。誰が正しくて、誰が間違っているかなんて、個人の主観だけでは言えないものである。