重い知的障がいと肢体不自由を持つ、重症心身障がい児(者)の親や関係者らを対象にした避難所見学会が1日、北見南小学校で行われた。約20人が参加し、指定避難所の一室に必要に応じて設けられる「要配慮スペース」の環境や防災備品を確認し、有事の際の避難行動の参考にした。
主催は、北見市障がい者自立支援協議会(事務局=市障がい福祉課)の重症心身障がい児(者)部会。見学会を行うのは初めてで、市の避難所開設・運営訓練との併催で実施。避難所のイメージを膨らませることで、災害時に各家庭の状況に即したよりよい選択ができるようにするねらい。
要配慮スペースとは、一般の避難所スペース(体育館など)で過ごすことが難しい人を受け入れる場所。見学会では特別支援教室にパーテーションを立て、2世帯を受け入れる想定で設営された。段ボールベッドとエアマットのほか、医療機器の使用に備えて蓄電池やドラムコード、マルチ電源タップなどが置かれており、参加者はスペース内の動線や備蓄品を確認し、意見を出した。
重い障がいに加え、医療的ケアが必要な子どもがいる母親(51)は「最低限に絞っても持ち出し品が多く、在宅避難が一番安心ですが避難せざるを得ない場合もある。災害時に避難所に行くかどうかの判断材料として見学の機会が持てて良かった」と話していた。
参加者から出された意見は、よりよい避難所環境の確保に向け、市の関係各課で共有される。(理)