2025年度危険物安全週間(6月8日~14日)にともない、北見地区消防組合消防本部と野村興産㈱イトムカ鉱業所(北見市留辺蘂町富士見)は12日、同事業所で災害対応訓練を実施。関係者約30人が参加したほか、北見地区危険物安全協会会員18人が見学に訪れた。
毎年6月第2週の同週間は、危険物の保安に対する意識の高揚と知識の普及を目的に全国の消防本部、消防署、関係事業所などが訓練や研修を行っている。
同事業所は水銀含有製品などのリサイクル事業を営む。
実験展示では、防護服に身を包んだ同事業所職員が、10㌘のナトリウム物質を水の中へ投入。このように間違った取り扱いをすると、化学反応で爆発が発生し、被害が拡大することを確認した。
座学研修では、リチウムイオン電池の特性について、同事業所製錬課の林正人課長代理が講義した。「リチウムイオンバッテリーを内蔵した商品をごみと一緒に捨て、ごみ収集車などで発火する事例が増えている」などと話した。同課の森谷佳裕課長は「夏場、車の中にスマホや充電器を放置すると、温度上昇による火災発生の危険があるので、十分注意してほしい」と呼びかけた。
訓練展示は、北見市内全域で震度5強の地震が発生。屋外タンクから重油が流出し、火災が発生するという想定で行われた。同事業所の車庫に常備されている消防車が出動。自衛消防隊が連絡警戒班、消火班、支援班、救護班に分かれ、状況確認や隊長への伝達などの訓練に取り組んだ。
最後に、同本部の後藤良樹消防長が講評し、「有事の際は消防隊が到着するまでに、いかに被害を軽減させるかが一番大事。本日の訓練は、目的にかなった大変よい訓練だった」と評価した。 (知)
