藻琴山(標高千㍍)─美幌峠(同525㍍)─津別峠(同947㍍)をつなぐ全長25㌔の自然歩道「屈斜路カルデラトレイル(KCT)」が5日、開通した。釧路市─根室管内羅臼町をつなぐ全長410㌔の「北海道東トレイル(HET)」の一部。初日は釧路圏摩周観光文化センター(釧路管内弟子屈町)でHETの開通式典が行われた。KCTは午前中、小雨に見舞われたが、午後には晴れ、国内最大のカルデラの雄大な景色が見られた。
KCTは、藻琴山(銀嶺水)─美幌峠間の「北コース」が14・2㌔、美幌峠─津別峠間の「南コース」が10・8㌔。美幌、津別、大空の3町の観光(物産)協会、自治体でつくる美幌地区三町広域観光協議会が数年をかけて笹を刈るなどして新たにルートを開削し、関係機関と協議を重ねて開通にこぎつけた。
HETの開通式典には来賓、住民ら約130人が出席。環境省国立公園利用推進室の佐々木真二郎室長があいさつし「開通は関係者のご理解、ご協力の賜物。ロングトレイルは地域活性化につながる。式典が新たなスタートラインになれば」と述べた。
釧路湿原、阿寒摩周、知床の3つの国立公園をつなぐ道であることから、関係する14市町の首長らが壇上に上がり、手をつないでHETの充実と発展を誓った。式典に続いてシンポジウムが開かれた。
一方、KCT中間地点の美幌峠は午前中、小雨が降り、霧に包まれたが、午後には快晴に。屈斜路湖をはじめ、斜里岳など周辺の山々を見ることができた。(浩)