
美幌警察署などが6月に行った屈斜路カルデラトレイル(KCT)でのヒグマ対応訓練の検討会が7月30日、美幌町役場で開かれた。
6月の訓練は、KCTを歩いていた利用者がヒグマに遭遇し、襲われて負傷した想定で行われた。関係機関が連携してヘリコプター出動を要請し、負傷者の救助や、ヒグマの駆除などを訓練した。
検討会は訓練を振り返ることでより良い訓練につなげ、万が一の事態に備えようと初めて開催。KCTが所在する大空、美幌、津別3町の警察、消防、猟友会、オホーツク総合振興局などから24人が出席した。
町ごとのグループで連絡体制や通信手段、捜索の要領、救助と搬送の要領などを話し合い、発表。負傷者やヒグマの捜索について美幌町は、コース沿いに笹やぶが広がり、見通しが悪いことから「サーモグラフィーつきドローンが有効」と提言した。
負傷者救助時にヒグマが近くにいると思われる場合、大空町は「猟友会の同行が必要。搬送時も、コースの長さを考えて交代するマンパワーが必要」と発表した。
発砲の判断について津別町は「まずはどの法律に基づく発砲かを考え、撃つ時はバックストップや負傷者がいないかなど安全を確保した上で判断しなければならない」とした。
道警北見方面本部生活安全課の成田剛指導官は講評で「それぞれの役割に理解を深め、発砲の根拠を皆さんで共有することが大切。訓練は継続して実施したい」と述べた。 (浩)