北見市仁頃町の北見田園空間情報センター「にっころ」のハッカ蒸留小屋で、乾燥させたハッカから油を取り出す蒸留作業が行われている。目が覚めるようなハッカ特有の香りが小屋に充満し、にわかに活気づく。
蒸留小屋は市内の団体や企業が共同利用しており、毎年9月下旬から10月中旬ごろまで昔ながらの工程による蒸留作業が行われる。
小屋では直径1・5㍍、高さ2㍍ほどの大きさの蒸留釜に乾燥したハッカが入れられた。足で踏み固めながら一度に約300㌔ほど詰めるが、強い香りと埃が煙のように舞い上がり、マスク越しでもむせかえる。
ふたを閉めて約2時間、蒸気に当てると隙間から水蒸気が漏れ出し、スーッとした香りが一層強くなった。冷却槽で冷やされた蒸気から抽出できる油の量はわずか4〜8㍑ほど。作業していた北見ハッカ通商の従業員は貴重な取卸油をこぼさぬよう丁寧に瓶に詰めた。
蒸留作業は誰でも見学、体験できる。作業日の問い合わせは、同センター(0157-33-2877)へ。 (理)