■流氷館に隣接
上川大雪酒造の酒蔵の建設地は、天都山にあるオホーツク流氷館の近くの市有地を想定している。敷地面積や施設建設費などは未定で、「今後、上川大雪酒造と協議していく予定」(市の担当者)だ。
市は、天都山に酒蔵が建設されることについて、「オホーツク流氷館との相乗効果を期待している」とする。
酒蔵の建設は、最短で2025年5月に着工となる。醸造時期については、「監督官庁(税務署)から清酒酒造にかかる許可を受けるなど手続きが円滑に進んだ場合、最短で2026年6月ころからをめざしている」(市の担当者)
上川大雪酒造が網走市・大空町と協力
■協定
8月、上川大雪酒造と網走市、大空町は、酒造りに関する協定を締結。協定では、3者それぞれの役割が示されており、網走市は「おいしい水の提供、酒蔵の土地の貸与、酒蔵完成後の観光振興」となっている。
大空町の役割は「酒米の栽培、女満別空港の利用促進」。網走市の酒蔵では将来、同町の酒米を使用した酒が醸造される予定だ。
天都山の市有地が酒蔵の建設地に選ばれた理由は、8月に3者が締結した協定内容に準じているため。ただ、協定を結ぶ2年前には一部メディアが網走市に酒蔵が建設されるといった内容を報じるなど、市内では以前から話題になっていた。
市は、今年9月の定例市議会に酒蔵を建設する土地の造成測量・設計費750万円と用地分筆測量費300万円の予算案を上程し、可決された。
酒蔵を建設する土地の造成測量費などを市が負担する理由について、市は「『天空の里』(天都山にある観光スポット)エリアの回遊性の活性化、観光振興を促進する観点から流氷館に隣接する場所に施設誘致をめざすものであるため、造成の前提となる調査費については市が負担するものと考えている」としている。
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次回は、酒蔵の完成に伴って、網走市が考える〝まちのメリット〟などを紹介する。